ワインの名画レビュー
今回は、「名画ワイン」ダイジェストをお届けします。
などなど、二回にわたるレビューを通して、もう一度見つけていただけたらなと思っています。
毎週日曜日の16:00更新、2週続けて前編後編というスタイルでやってきて、前回でちょうど50回め!番外編もありますが、ざっくり25種類のワインと25枚の絵画を扱ってきたことになります。
この一年間、ブログにいつもいいねをくださる読者の方、コメントくださる方、「読んでるよ」の声に支えられ、ブログパートナーとふたりで毎週更新してこられました。
前編では、「ワインの名画を生んだ画家たち」を振り返ります。
敢えて作品は全部載せず、ワイン部分にフォーカスしています。各画像をクリックすると元の記事に飛びますので、気になったものはぜひ読んでみてくださいね。
「ムーランルージュ」といえばこの画家、ロートレック。モンマルトルの歓楽街のイメージが強く、その通りでもありますが、実は伯爵家出身の身。身体的障害のコンプレックスからか歓楽街に溺れていきますが、その絵の腕前はものすごかったそうです。

藤田嗣治 フランス/エコール・ド・パリ
フランスに帰化した元日本人。「乳白色の肌」の女性画で知られます。エコール・ド・パリとは、1920年代、パリのモンマルトルやモンパルナスに集まってきた(主に)外国人のアーティストで、ボヘミアン的に生活をしていた一派をさします。

プリントメーカーでもあったカウルフィールド。活躍はブリティッシュポップと時期を同じにします。太い線と対比されることで、緻密に描かれた部分がまるで写真のように見えるほどのリアリティーを帯びています。

印象派の中でも写実的な画風が特徴。画家としてよりも、印象派のコレクターとしての功績が大きいのは本文で述べられている通り。「もしもカイユボットが存在していなかったら、印象派の画家たちも経済的に活動を続けられなかっただろうし、フランスの「至宝」も国内に留まることはなかっただろう」

「叫び」以外にもムンクはたくさんの名作を残していて、特に北欧の自然から描かれた作品たちは本当に美しいです。今回の作品は、ドイツ滞在中に描かれた室内画。投げ出された腕の白さが際立ちます。

タヒチで描かれた、極彩色の作品に代表されるゴーギャン。こんな繊細な作品も残しているんです。画家には珍しく、もともと「まっとうな」職業に就き高収入だった彼。職を離れ、様々な画法で作品を描き、最後はタヒチにたどり着く。そんな一生もさっくりご紹介しています。

謎多きフェルメール。(今回の肖像画も一番苦労しました)オランダ黄金時代とともに活躍し、ともに衰退していきました。繊細な光、静謐な画面は唯一無二もので、その作品数の少なさもあっていまだに世界中が熱狂する画家です。

ゴッホはもしかしたら日本で一番知られている画家なのでは?というほど、私たちの耳に馴染んだ名前です。しかし実際は、その純粋すぎる難しい性格ゆえ大変な人生を歩みます。この回で取り上げた作品が唯一生前売れたものであり、それが「葡萄畑」であったことは、なんだか勝手に嬉しくなってしまったりするのです。

クリスマスの回。ロマンティックなのは作品だけでなく、彼自身も紅茶とお花と恋人が大好きな、なんともフェミニンな人柄だったようです。寒い故郷のロシアを離れ、最終的に落ち着いたのが花の香り漂う南仏でした。

印象派はフランス人だけのものではありません。スカーゲン出身のクロイヤーが描くこの乾杯が、2019年の始まりを明るく照らしてくれました!
北欧の画家とは思えない(だからなのか)柔らかな木漏れ日が美しい一枚です。

シュルレアリズムとも分類されるバルテュスですが、本人は否定しています。ちょっと危うげな雰囲気は、彼の「変化するところに美がある」ということに所以するのかもしれません。山を愛し、自然光でしか描かなかったという、自然主義的な一面のある画家です。

Francis Bacon アイルランド/具象現代美術
エチケットにフィーチャーした回。アート×ワインと聞くと誰もが思い浮かべる、Château Mouton-Rothschild のアートラベルはもちろん登場。その中でも1990年のベーコンは美術史上絶対に素通りできないアーティスト。(余談ですが、哲学者のフランシス・ベーコンは祖先に当たります)

印象派唯一の労働者階級出身。きれいな格好をしていても、どこか可愛らしさすら感じてしまう、近寄りやすいイメージのルノワール。
人生は苦しいことばかり。だからあたたかなものを見て、美しいものを創って生きていきたいと願った、幸せの画家です。このパン一本が幸せそう。

Pierre Bonnard フランス/ナビ派、親密派

戸籍こそアメリカであるものの、フィレンツェに生まれパリとロンドンで活躍した、実際はヨーロッパ人です。肖像画家として知られ、気品溢れる作品を多く残すサージェントらしからぬ、雑多なヴェニスを描いた一枚。絵画を構図で見てみるのも面白いですよ。




こちらもバラの画家。ラトゥールは花々の静物画で有名ですが、対象に敬愛が感じられます。印象派が盛り上がってきている中で、淡々と(?)クラシックなスタイルで描き続けた画家です。秋バラの季節になったら、また彼を思い出してください。

より カフェにて Edger Degas
フランス/印象派
ワイン以外にフィーチャーした貴重な回。ドガはバレエの作品で有名。

Written by E.T.
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