名画のワインリスト50 (前編)

ワインの名画レビュー

今回は、「名画ワイン」ダイジェストをお届けします。

贔屓の画家、好きなワイン、印象的だった作品、初めて知ったぶどう品種。

などなど、二回にわたるレビューを通して、もう一度見つけていただけたらなと思っています。

なぜかというと、今週で本ブログが1周年を迎えるからです!
2018年7月15日、「名画のワインリスト」はスタートしました。

毎週日曜日の16:00更新、2週続けて前編後編というスタイルでやってきて、前回でちょうど50回め!番外編もありますが、ざっくり25種類のワインと25枚の絵画を扱ってきたことになります。

この一年間、ブログにいつもいいねをくださる読者の方、コメントくださる方、「読んでるよ」の声に支えられ、ブログパートナーとふたりで毎週更新してこられました。

前編では、「ワインの名画を生んだ画家たち」を振り返ります。

敢えて作品は全部載せず、ワイン部分にフォーカスしています。各画像をクリックすると元の記事に飛びますので、気になったものはぜひ読んでみてくださいね。

 

 

courbet
オルナンの食休み × プールサール
Gustave Courbet フランス/写実主義
記念すべき第一回目。クールベはリアリズムを確立させた画家。
彼なしでは、ワインを多く描くことになる印象派もバルビゾン派もなかったかもしれず、このブログが成り立たなくなる可能性もあった。
そんな理由でトップバッターを切ってくれました。

 

赤のハーモニー × 秘密のアッサンブラージュ
Henri Matisse フランス/野獣派
真っ赤なのにどこか落ち着きさえ覚えるのが不思議な作品。野獣派とは聞こえが若干アグレッシブですが、ようは原色に近い色を使って色彩豊かに描いたということです。

 

快楽の女王 × シャルドネ
Toulouse-Lautrec フランス/ アール・ヌーヴォー

「ムーランルージュ」といえばこの画家、ロートレック。モンマルトルの歓楽街のイメージが強く、その通りでもありますが、実は伯爵家出身の身。身体的障害のコンプレックスからか歓楽街に溺れていきますが、その絵の腕前はものすごかったそうです。

 

カフェにて × Haut-Médoc
藤田嗣治 フランス/エコール・ド・パリ

フランスに帰化した元日本人。「乳白色の肌」の女性画で知られます。エコール・ド・パリとは、1920年代、パリのモンマルトルやモンパルナスに集まってきた(主に)外国人のアーティストで、ボヘミアン的に生活をしていた一派をさします。

 

無花果とパンのある静物 × パロミノ Luis Meléndez スペイン/写実主義

見事な静物画を描くメレンデス。日本人には馴染みが薄いですが、実はスペイン出身の凄腕写実主義画家は多いのです。

 

ピクニックセット × Corbières Patrick Caulfield イギリス/ポップアート、フォトリアリズム

プリントメーカーでもあったカウルフィールド。活躍はブリティッシュポップと時期を同じにします。太い線と対比されることで、緻密に描かれた部分がまるで写真のように見えるほどのリアリティーを帯びています。

 

床削り × カベルネ・フラン Gustave Caillebotte フランス/印象派

印象派の中でも写実的な画風が特徴。画家としてよりも、印象派のコレクターとしての功績が大きいのは本文で述べられている通り。「もしもカイユボットが存在していなかったら、印象派の画家たちも経済的に活動を続けられなかっただろうし、フランスの「至宝」も国内に留まることはなかっただろう」

 

その翌日 × Spätburgunder Edvard Munch ノルウェー/ 表現主義・象徴主義 他

「叫び」以外にもムンクはたくさんの名作を残していて、特に北欧の自然から描かれた作品たちは本当に美しいです。今回の作品は、ドイツ滞在中に描かれた室内画。投げ出された腕の白さが際立ちます。

 

白いテーブルクロス × ガメイ Paul Gauguin フランス/ポスト印象派

タヒチで描かれた、極彩色の作品に代表されるゴーギャン。こんな繊細な作品も残しているんです。画家には珍しく、もともと「まっとうな」職業に就き高収入だった彼。職を離れ、様々な画法で作品を描き、最後はタヒチにたどり着く。そんな一生もさっくりご紹介しています。

 

紳士とワインを飲む女 × Margaux Johannes Vermeer オランダ/バロック

謎多きフェルメール。(今回の肖像画も一番苦労しました)オランダ黄金時代とともに活躍し、ともに衰退していきました。繊細な光、静謐な画面は唯一無二もので、その作品数の少なさもあっていまだに世界中が熱狂する画家です。

 

赤い葡萄畑 × グルナッシュ Vincent van Gogh オランダ/ポスト印象派

ゴッホはもしかしたら日本で一番知られている画家なのでは?というほど、私たちの耳に馴染んだ名前です。しかし実際は、その純粋すぎる難しい性格ゆえ大変な人生を歩みます。この回で取り上げた作品が唯一生前売れたものであり、それが「葡萄畑」であったことは、なんだか勝手に嬉しくなってしまったりするのです。

 

サン=ポール=ド=ヴァンスの食卓 × Bellet Marc Chagall ベラルーシ/ 表現主義

クリスマスの回。ロマンティックなのは作品だけでなく、彼自身も紅茶とお花と恋人が大好きな、なんともフェミニンな人柄だったようです。寒い故郷のロシアを離れ、最終的に落ち着いたのが花の香り漂う南仏でした。

 

Hip, Hip, Hurrah! × ピノ・ノワール P. S. Krøyer デンマーク/印象派

印象派はフランス人だけのものではありません。スカーゲン出身のクロイヤーが描くこの乾杯が、2019年の始まりを明るく照らしてくれました!

北欧の画家とは思えない(だからなのか)柔らかな木漏れ日が美しい一枚です。

 

 

おやつの時間 × Seyssel Balthus フランス/ 表現主義、 新古典主義、他

シュルレアリズムとも分類されるバルテュスですが、本人は否定しています。ちょっと危うげな雰囲気は、彼の「変化するところに美がある」ということに所以するのかもしれません。山を愛し、自然光でしか描かなかったという、自然主義的な一面のある画家です。

 

名画のワインリスト × ワインの名画リスト より
Francis Bacon アイルランド/具象現代美術

エチケットにフィーチャーした回。アート×ワインと聞くと誰もが思い浮かべる、Château Mouton-Rothschild のアートラベルはもちろん登場。その中でも1990年のベーコンは美術史上絶対に素通りできないアーティスト。(余談ですが、哲学者のフランシス・ベーコンは祖先に当たります)

 

昼食× Beaujolais Pierre-Auguste Renoir フランス /印象派

印象派唯一の労働者階級出身。きれいな格好をしていても、どこか可愛らしさすら感じてしまう、近寄りやすいイメージのルノワール。

人生は苦しいことばかり。だからあたたかなものを見て、美しいものを創って生きていきたいと願った、幸せの画家です。このパン一本が幸せそう。

 

犬を抱く女 × メルロー
Pierre Bonnard フランス/ナビ派、親密派
同じ室内でも、ひたすらお風呂場を描くイメージだったボナール。食卓も描いていました。しかもこんなにかわいらしい。「ペットを描く」という「親密派」についても言及しています。
このサイズの犬って現代日本的に見えるのは私だけでしょうか…。

 

ベニスのタバーン×Soave John Singer Sargent アメリカ/印象派

戸籍こそアメリカであるものの、フィレンツェに生まれパリとロンドンで活躍した、実際はヨーロッパ人です。肖像画家として知られ、気品溢れる作品を多く残すサージェントらしからぬ、雑多なヴェニスを描いた一枚。絵画を構図で見てみるのも面白いですよ。

 

Au Lapin Agile にて × グルナッシュ Pablo Picasso スペイン/ キュビスム、表現主義、シュルレアリスム、ポスト印象派 他
膨大な作品の中から、あらゆるスタイルの中から選ばれたのが、舞台裏を描くこの作品。まだ若きピカソの「バラ色の時代」からの一枚です。
ピカソはわからない、という一つの原因は「スタイルがありすぎるから」。
彼についてざっくり知りたければぜひ再読を!

 

Ryuichi Sakamoto 1983 × サントネージュ Andy Warhol アメリカ/ ポップアート
本ブログ最近年のアーティスト。
広告業界にいた彼ならではの一風変わった作品です。100年前のロートレックやミュシャに続きつつ、全く新しいスタイルでポスターはアート!と体現してくれています。

 

青いテーブル × ゲヴュルツトラミネール Henri Le Sidaner 新印象派 / フランス
ジェルブロワというバラの街を作り上げた画家。
ちょっとアンニュイな雰囲気で、淡い色彩とフルーツとワイン、うっとりしてしまう作品群です。著者の思い出にも心温まります。

 

テーブルの片隅で × Pommard Henri Fantin-Latour  フランス/写実主義、アカデミー

こちらもバラの画家。ラトゥールは花々の静物画で有名ですが、対象に敬愛が感じられます。印象派が盛り上がってきている中で、淡々と(?)クラシックなスタイルで描き続けた画家です。秋バラの季節になったら、また彼を思い出してください。

 

名画のワインリスト ×「緑の妖精」と呼ばれたお酒
より カフェにて Edger Degas
フランス/印象派

ワイン以外にフィーチャーした貴重な回。ドガはバレエの作品で有名。

今作品の虚ろな表情の彼女だけでなく、彼の描く少女にはどこか、深い闇が透けている気がします。

キルケのワイン × チェザネーゼ John William Waterhouse イギリス/ラファエロ前派

ラファエロ前派の中でも、名前のとおり水の描写が素晴らしいウォーターハウス。

グラスに輝くワインもさすがのもの?

昼食 × ガメイ Claude Monet フランス/ 印象派
もちろん、モネ無くして印象派は語れません。
晩年はジヴェルニーに自ら蓮池を作り、いくつもの大作を残したことで有名な画家ですが、この作品は若きモネの幸せな日常を垣間見られます。
25人のワインの描写、いかがでしょうか。
ワインは、喜びをもたらす特別なものでもありながら、同時に日常のものでもある。だからこそ、これだけ様々な形で絵画に登場するのでしょう。
ここまでみていただいた方、ありがとうございます。
後編は、そんなワインのレビューにまいります。

 

ジヴェルニーは未訪ですが、京の蓮も良きものです
メイン画像Rembrandt Harmenszoon van Rijn “Artist in his Studio” (1626) /ボストン美術館

Written by E.T.

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