名画のワインリスト = Erico × Frank(後編)

前編に引続き、EricoさんとFrankの対談集です。場所は同じく表参道の青山学院大学すぐ近くのワインバーGRAPES OMOTESANDO | CHEESE & CHOCOLATE。勿論、ソムリエのMr. Yoshinobu Taga (Taga-san)とソムリエールのMs. Eiko Ono (Ei-chan)にもお付き合い頂きます。

ヴィロードのようなJazz、そして穏やかな時の流れと共に。

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Frank:これまで特に触れてこなかったので、我々の素性でも明かしましょうか。絵画とワイン以外で、趣味は何ですか?笑
Erico:旅ですね。
Frank:ベストな国はどこだったんですか?
Erico:ポルトガルのリスボンかなー。2回行ってて。1回目はロンドンに居た時に、ポルトガルに留学していた友人に会いに行ったのがキッカケ。実は私とワインとの出逢いでもあって。ハタチの時だったんですけど、ワインを飲んで、初めて心から喜ぶことができたという記憶が残ってるんです。
Frank:ポルトガルと言えば、Vinho Verde / ヴィーニョ・ヴェルデ(※ポルトガル北部の産地)のアルヴァリーニョかロウレイロ(※いずれも白ブドウ品種)ですかね?
Erico:いいえ、赤ワインでした。Dão / ダォン(※ポルトガル中部の産地)だったか忘れちゃったけど。ファド(※ポルトガルの民族歌謡)を聴きながらたくさんワインを飲んで。こんなに美味しくワインを飲んだの初めてだなと。隣では秋刀魚じゃないけど魚を網でパタパタ焼いてて、なんか日本と相通ずるところを感じました。
Frank:確かにポルトガルってそうだよね。仕事で良く香港行くので時間があると足を延ばしてマカオにも行くけど、マカオって元々ポルトガル領だったじゃない。昔ながらのレストランに入ると、サーディンとかタコとか、やはりシーフードが多いよね。しかも良い意味でシンプルな料理。和食と似てる気がする。次に行きたい国とかありますか?
Erico:北欧!フィンランド!
Frank:またワインのないところを敢えて?!
Erico:まず北欧に行ったことがないというのと、食文化がユニークだからかな。デザインも素敵だし。
Frank:家具も有名だし、Marimekkoとかiittalaもフィンランド発だよね。そう言えば最近、The New York Timesの記事で読んだんだけど、温暖化の影響でノルウェーとかスウェーデンと言ったスカンジナビア半島の国でもワインが造れるようになったらしいよ。
Erico:イギリスでもスパークリング・ワインを造り始めてびっくりしたところだったのに!
Frank:そう考えると、今ある産地なんて亜熱帯になって、良質なワインが造れなくなっちゃうんじゃない?でも地層・地質だけは変えられないからねー。

 

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Frank:じゃあ私は白ワインを頂こうかな。
Ei-chan:オススメのワインが2種類ありまして、わたくしの生まれ年の…
Frank:出たー!じゃあそれで。生まれ年の方も宜しければいかがですか?笑
Ei-chan:え、良いんですか?!笑(※収録日はEi-chanの誕生日でした)
Frank:Ei-chan年(※秘密)のワイン美味しいな。Ei-chan年って市場の評価はどうだったの?
Ei-chan:グレート・ヴィンテージではないけれど、特に悪い訳でもない…という笑。でも思い入れがあるだけかもしれないけど、何を飲んでもハズレと思ったことないんですよね。片や、ボルドーなんかは弱いという方もいるんで、何とも言えないんですけど…
Frank:周辺で言うと、1995年は良い年だよね。
Ei-chan:当たり年ですねー。フランスではどのエリアでも最高の評価です。でも飲むにはまだ早いと思います。
Erico:そう言えば、我々の生まれ年ってハレー彗星が接近した年(※1985年末から1986年初にかけて観察された)で、そういう年のシャンパーニュはグレート・ヴィンテージらしいよ。
Taga-san:確かに、シャンパーニュではないですけど、Château Lafite-Rothschild / シャトー・ラフィット=ロートシルトの1985年ヴィンテージにはハレー彗星が描かれてますよね。
Frank:へー、そうなんだ。知らなかった!でも、ビオディナミの第一人者Nicolas Joly / ニコラ・ジョリーなんかは、天体の動きをワイン造りに取り込んでるくらいだし、何か不思議な力があるのかもね…と信じたい笑

 

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Ei-chan:Frankさんからの頂きもので恐縮なんですけど、このSavigny-Lès-Beaune / サヴィニィ・レ・ボーヌとマロン・グラッセ、めっちゃめっちゃ合います!
Frank:連呼しちゃった笑。頂戴します。
Erico:あ、マロン・グラッセの甘さを綺麗に包んでくれている感じ!
Ei-chan:そう、ワインの熟成した感じが綺麗に…うーん、語彙力が足りない笑。来年は表現力の向上を目指します笑
Frank:「語彙力」で想い出したんだけど、この前岩田さん(※アジア・オセアニア最優秀ソムリエでFrankが尊敬する人のひとり)と話をしていた時に「どうやってその表現力を身に付けたの?」っていう会話になって、最初は他のソムリエの素敵だなと思える表現をどうやって自分なりの表現に変換していけるかが課題だった、とおっしゃっていて。テイスティング・コメントってある程度外から吸収しないと、自分の中だけだと限界があるんだろうね。自分の中だけで考えていると、その延長線上には行くことはできても、ビッグバンはなかなか起こり得ないからね。
Erico:でも何でもそうだと思う、ゼロからイチは作れないし…それにどうせ技を盗んでも、アウトプットの時には必ず「自分色」になるから、それで良いんだと思う。
Ei-chan:特に文章書かれてるとそうじゃないですかね?どなたか参考にされている作家っています?
Frank:私の文章って、ひとつの「文」が短く端的で、テンポ良く読めるように書いてるんですよ。
Erico:Hemingway / ヘミングウェイみたい!
Frank:全くジャンルは異なるんですけど。その「歯切れの良さ、心地良さ」のヒントを得てるのは、夢枕獏さんの「陰陽師」シリーズからかな。もうシーズン15くらいまで刊行されているんだけど、その「言い回し」が綺麗で、大好きで…
Ei-chan:端的なのに綺麗って凄いですね。
Frank:目指したいところ。だからその影響は少なからず受けてるんですよね。
Erico & Ei-chan:え、読んでみたい!
Frank:うちに全巻あるから今度貸すね。魑魅魍魎(※妖怪のこと)の話で「心の闇に鬼が宿る」というテーマなんだけど、要するにそれってヒューマンドラマなんだよね。人間とは何か、それが深くて。短篇集だからすぐ読めちゃうし、オススメ。
Erico:あ、あと、私は「ですます調」で書いていて、Frankさんは「である調」で書いてるんですよ。
Frank:そうそう。それはブログを始める前の取り決めで、2人の男女が交互に話を展開していくのに当たって、何か分かりやすい緩急というか変化が欲しいな…と思って。
Erico:私も特に感情をぶつけたい時は本当は「である調」で書きたいんですけど、でも「ですます調」に変換するという作業をしています笑。
Frank:Ei-chanは好きな作家っているんですか?
Ei-chan:私が最初に影響を受けたのはフランス文学ですね。Françoise Sagan / サガンの「悲しみよこんにちは」から入って、辻仁成さんの文章を読むようになって。あの空気感が好きです。
Erico:辻仁成さんというと、江國香織さんは私は殆ど読んでます。全体観としてはどこかもやもやと霧のようなところがあるんだけれど、「文」を一つひとつ追っていくと凄い素敵で。
Ei-chan:分かります!言葉の並びというか、流れというか、彼女もフランス文学の影響をきっと受けているはず。辻仁成さんと仲が良いのも、根底にはそういう共通点があるのかもしれませんね。
Frank:Ei-chanのSNSにアップしてる文章も凄い素敵なんですよ!
Erico:えっ、読みたーい!
Frank:これこれ!
Erico:素敵ー!
Ei-chan:Domaine Prieure Roch / ドメーヌ・プリューレ・ロック(※Nuits-Saint-Georges / ニュイ・サン・ジョルジュのワイナリー)に併設されたレストランで撮った写真で、彼のLadoix / ラドワ(※Nuits-Saint-Georges南隣りのAOC)のシャルドネと向日葵の種を添えたセロリのスープをマリアージュさせたんですけど、それが思いの外素晴らしいペアリングで。酔ってたのもありましたけど、ホッとしたら心の声が出ちゃいました笑
Erico:でも芽生えた感情をスナップショットで残しておくというのが大事だと思う。
Frank:Taga-sanも本好きですよね?
Taga-san:好きなんですけど、最近は法律の本ばかり読んでます!
Frank:Taga-sanらしい笑
Taga-san:山本博さんもRobert M. Parker, Jr. / ロバート・パーカー(※いずれもワイン評論家)も弁護士ですからね。彼らの表現方法は論理的で読みやすいんですよ。

 

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Frank:何か赤ワインありますか?
Erico:あとオリーブ下さい!
Ei-chan:2種類開いてます。Volnay / ヴォルネイとChambolle-Musigny / シャンボール・ミュジニィですね。ヴィンテージはいずれも2015年です。
Frank:では1杯ずつ頼んでシェアしますか。 あー。香りはどちらが好きですか?
Erico:おー。難しいですね。Chambolle-Musignyかなー。
Frank:私もそっち派。ちなみにそもそも好きな産地はどこなの?
Erico:Loire / ロワールが好きです。ワイン全体で見れば白ワインを飲む方が多いんだけれど、Loireに限っては赤ワインの方が好きかな。Chinon / シノン(※Loireの産地)のカベルネ・フランとか。
Frank:私もCharles Joguet / シャルル・ジョゲ(※Chinonの造り手)とか好きだな。
Erico:甘口白ワインも好きだけど。Coteaux du layon / コトー・デュ・レイヨン(※Loireの産地)とか。Frankさんは?
Frank:私は結構、妄想上のワインの旅をしてきたけれど、結局やっぱりBourgogne / ブルゴーニュに辿り着くんだよね。その中でどこか絞るとなると、Gevery-Chambertin / ジュヴレ・シャンベルタンかなー。テイスティング・コメントとして正しいのかは置いといて、私には黒胡椒のようなスパイスが感じられて、それがたまらない。黒胡椒というと教科書的にはシラーなのかもしれないけれど、私はBourgogneの中でも特にGevery-Chambertinとか隣のFixin / フィサンに強く感じるんだよねー。それを感じるとホッとするんですよ。
Erico:そう言えば、日本ワインのBOW!を見つけると、あった!って感じで頼んでしまう…それを一緒に来た人と飲めたら嬉しいかな。
Frank:小山田さんのね。私、小山田さん好きで、長野の洗馬の畑まで行ったことあるよ。BOW!は山梨だけど、小山田さんは美味しいよね。

 

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Frank:そろそろ撮れ高十分だと思うので締めを笑。2020年はどうしていきましょうかね。
Erico:次のステップね!
Frank:そうそう、次のステップ。詳しいことは敢えては言わないけれども笑
Erico:2020年は節目だし、日本にとっても良い年だし。
Frank:2020年は次のステップに専念させて頂いて、皆さままたそのうちどこかで会えると良いですね…ということで。そんな感じで笑
Erico:来年も頑張っていきましょう!
Frank:ではでは、毎週楽しみに読んで下さった皆さま、暫しの間さようなら笑

 

Written by Fumi “Frank” Kimura

Special Thanks to Mr. Yoshinobu Taga & Ms. Eiko Ono

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